【エピソード】祖母がお正月に帰って来た時の話。
エピソード
祖母が他界したあの日には、
ちょっとしたエピソードがあります。
↑のエピソードです。
祖母が当時の自宅で正月を迎え、
再入院しての数日後、
それは他界した日の記憶。
もう長くはないということを、
父は全ての身内に連絡してありました。
その中には、
頑固な祖母の性格が災いし、
いつしかお互い忌み嫌うようになってしまって、
数年間殆ど会話をしてない関東に住む身内の人間もいました。
その日の午前中から昼過ぎにかけて、
僕は病室にいました。
午後から仕事の関係で出掛ける為、
「お祖母ちゃん、行ってくるね。」
と、
僕は祖母にそう伝え、
祖母は僕の言葉に微かに反応するかのように見えました。
目の動き、
手を握った感じ、
それで何となくわかりました。
医療器具に繋がれながらも・・・。
そしてそこには、
父と祖母の二人だけ。
すると、
僕とちょうどすれ違うかのように、
その関東に住む(正直僕も嫌いな)人が来たらしい・・・。
どれくらい居たのかわからない。
何を話し掛けたのかもわからない。
知っているのは、
当事者同士とそこに居合わせたであろう父のみ。
そして、
その人が去って、
それほど時間は経ってない午後3時半頃、
携帯に父からの電話が。
「あと1時間くらいで・・・。」
と。
順次身内が駆け付ける。
母・弟達・叔父・叔母・従兄弟達・・・。
そして、
身内8人が見守る中、
祖母は息を引き取った。
医師曰く、
自宅で正月を迎えたことは奇跡だったとのこと。
その時点で何が起きてもおかしくない状態だったとも。
今思うと、
その人に会って蟠りが解け、
最後の最期に、
お互いが何か通じ合えたのではないか?
安心出来たのではないか?
許し合えたのではないか?
祖母はその人を待っていたんだと悟った・・・。
こういう僕も、
祖母とは性格が合わず、
度々衝突することもあっただけに、
もっと優しく普通に時間を過ごしていれば良かったと、
思えて仕方ない・・・。
後悔しても仕方ないので、
それ以来、
毎朝起きると同時に、
祖母を思い出し、
心の中で挨拶をする。
就寝前には、
祖母の顔を思い浮かべながら、
一日の出来事を心の中で報告する。